インフルエンザは、インフルエンザウイルスが引き起こす急性呼吸道伝染病で、臨床表現としては、発熱、頭痛、筋肉痛、だるさ、鼻炎、咽頭痛、咳などがあり、胃腸不調を伴う場合もある。その早期には、伝染性非典型肺炎との鑑別診断が困難である。インフルエンザは、既往症(心肺疾患)を悪化させたり、細菌性肺炎や原発インフルエンザウイルス性肺炎を併発し、老人や各種慢性病患者、虚弱体質の人がインフルエンザにかかると、重い合併症に陥りやすく、死亡率も高い。
インフルエンザウイルスは伝播が早く、広く流行する。抗原も変化しやすいので、特異性免疫状況も不安定となる。インフルエンザウイルスはA、B、Cの3種類に分かれ、A型とB型が人に対しての威力が大きい。インフルエンザの流行には季節性があり、中国北方では通常冬季に、南方では年間を通じて発生するが、ピークは夏季と冬季である。
インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの予防及びコントロールに対する主要な措置の一つである。インフルエンザの流行期の前に、予防接種を施せば、接種者のインフルエンザに感染する機会が減少、或いはインフルエンザにかかっても、症状が軽くて済む。またインフルエンザによる入院率や死亡率の上昇を抑えられるので、インフルエンザ流行による被害を減少させることができる。
科学的、規範的、有効的にインフルエンザワクチンの予防接種を展開させ、ワクチンの作用を最大に発揮する為、ここにインフルエンザワクチン予防接種指導案を制定し、各地でワクチン接種を実施する際の参考に供する。
一、 ワクチン接種の原則
1. インフルエンザワクチン予防接種は、任意接種の原則に基づく。各級衛生部門は、宣伝と健康教育を強化し、公衆にインフルエンザワクチン接種に関する知識を広める事。
2. インフルエンザワクチン予防接種は、安全、有効の原則に則り、関係部門の生物製品及び予防接種の関連規定と要求に厳格に従って、管理、操作を行う事。
二、 接種の目的
1. 接種者のインフルエンザ感染及び感染した際の合併症発生を減少させ、インフルエンザによる入院率、死亡率を抑制する。
2. 老人、幼児、慢性病患者、虚弱体質の人を保護し、これらの人々と接触する機会の多い人がインフルエンザに感染して、これらの人に伝播させる事を避ける。
三、 ワクチン使用についてのアドバイス
(一) ワクチンの種類
現在わが国では、3種類のインフルエンザワクチンを使用している。
不活化全粒子型ワクチン(whole virus particle)、表面抗体ワクチン(split-vaccine)、及び表面精製ワクチン(subunit
vaccine)の3種類である。
どのワクチンもA1亜型、A3亜型、B型の3種の不活化ウイルスまたは抗原成分を含む。この3種のワクチンの免疫性と副作用の差は少ない。
【ウェルビー注:上海市産のワクチンは、すべて表面抗体(split-vaccine)である。なお、日本産のワクチンも同様。】
(二) ワクチン接種の対象
生後6ヶ月以上であれば、誰でも接種を受けてよい。
1. 接種を特に勧める対象
(1)60歳以上の人
(2)慢性病患者及び虚弱体質の人
(3)医療衛生機構に勤務する人、特に第一線で働く人
(4)小学生、幼稚園園児
2. 接種を勧める対象
(1) 養老院、老人看護センター、託児所に勤務する人
(2) サービス業に従事する人。特にタクシー運転手、飛行機、鉄道、バスの乗務員、商業、旅行サービスに従事する人。
(3) 出張国内外への旅行を頻繁に行う人
省級衛生行政部門は、現地の実状に基づき、接種を特に勧める人や接種を勧める人について調整を行っても良い。
3. 接種しないほうが良い人
妊娠3ヶ月以上の人
(三) インフルエンザワクチン接種をしてはいけない人
1. 卵やワクチン中のその他の成分に対してアレルギーがある人
2. ギラン−バレー症候群患者
3. 妊娠3ヶ月以内の人
4. 急逝発熱性疾病患者
5. 慢性病発作期の人
6. 重症アレルギー体質者
7. 12歳以下の児童は、不活化全粒子型ワクチンを使ってはいけない
8. その他医師が接種に適さないと判断した人
(四) ワクチン接種の時間選択
ワクチン接種後、人体に生じた抗体レベルは、時間が経つに連れて下降する。またワクチンに含まれるウイルス株の成分は、毎年流行優勢株の違いにより変化するので、その年のワクチンを接種する必要がある。
インフルエンザ流行期1〜2ヶ月前にワクチンを接種すれば、よりよいワクチンの保護作用が発揮される。接種に望ましいのは、9月から11月。各省は、現地の流行期及び感染状況の観測結果分析予測に基づき、もっともよい接種時間を確定して、公布してもよい。
(五) ワクチン接種の反応
3種類のワクチンは、どれも感染性を持たないので、インフルエンザを引き起こす事はない。しかし、接種後ワクチンとは関係のない、呼吸道疾病を引き起こす事がある。
局部反応:注射した部位が短期間痛む、赤く腫れる。
全身反応:接種後、微熱、身体の不調が現れる。一般的には、対症処理をすれば、ワクチンの効果には影響しない。卵の蛋白に強いアレルギーのある人には、急性過敏反応が現れる事がある。
(六) ワクチン使用の注意事項
使用説明書の通りに扱う事。
四、 予防接種の組織的管理
インフルエンザ予防接種は、国家の生物製品と予防接種の関係する規定と要求に厳格に基づいて管理する。
インフルエンザワクチンの集団予防接種を実施する時は、省級衛生行政部門の批准を経て、県級以上の衛生行政部門により組織的に実施する。
接種による副作用や事故に対する観測、報告、調査をしっかりと行い、問題が生じた時は、迅速に有効な措置をとり、しかるべき処理を行う事。集団予防接種での副作用や事故を発見した場合は、遅滞なく衛生部に報告する事。
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